南アルプス縦走8日間・光はわれわれの足元にやってくるのか?(2013年8月3〜10日)

北アルプスは銀座のクラブのナンバーワンのおねえさん、
南アルプスは新橋の小料理屋の化粧もしていない、でもきれいな若おかみ、
と以前に書いたことがある。

若おかみのもとに通いたい、
という気持ちは常にあったが、
なぜだか相方のみーさんが、
南アルプスに興味が薄いらしく、
若おかみのもとに通うことができないでいた。

今回、ようやくみーさんのOKが出て、
4年ぶりに南アルプス縦走のチャンスが訪れたのだ。

南部だ。
南アルプスの南部に行きたい。

前回は笊ヶ岳〜伝付〜二軒小屋〜蝙蝠〜塩見〜荒川〜聖〜聖沢〜椹島 の変形コースだった。
聖までは行ったが、
聖はガスガスでもう一度行きたい。
そして遠くから見ても大きな上河内岳も行きたい。

みーさんに聞いたところ、
北岳から行きたいというので、
広河原から入って、
行けるところまで行く。
7泊8日の予定なので、
うまくいけば光岳まで行けるが、
まあ行けなくても聖までは、
こっそり上河内岳までは行きたい、
と思っていた。

ただ、みーさんと一緒なので、
あまり無理なこともできない。
脚を伸ばすか、まったりするか、
決められないまま、
登山計画書にも光までのコースを書きながら、
「そんなにうまくいかないので、
椹島か畑薙に下山することになると思います」
と弱気なことも書いた。

でも心は南部にあった。
若おかみに会うのだ。

8月3日(土)1日目
普通に家を出て、
9時甲府発のバスに乗る。
7月の3連休のときほどの人はいない。

11時34分、広河原山荘を出発する。
天気はまずまず。
このところ白根御池コースばかりで、
みーさんは大樺沢コースに行ったことがないので、
今回は大樺沢コースをとる。

少し早くつくようなら肩の小屋まで、
と思っていたが、 みーさん、意外に緩斜面が苦手なよう。
1回目の休憩でおにぎりとジューシーソーセージドック。
そしてコースタイムオーバーで二俣に到着。
2回目の休憩に入りますが、
これでは肩の小屋は無理。
明日がんばることにしまして、
白根御池小屋に向かいます。

白根御池小屋には14時32分に到着。
7月の3連休のときほどのテントの数ではありません。
平坦なところにテントを張りましたら、
みーさんがビールを飲みたいというので、
生ビールとソフトクリーム。

ここまでは楽勝だが、
明日以降はしんどくなる。

夜ごはんは梅わかめごはん、クリームシチューに、
プチトマトとポテトサラダ。
クリームシチューはアマノのフリーズドライだが、
これはイケる。

高校の名前の入った大きなテントが2つあったが、
それほど遅くならずに静かになって、
よく眠れた。

8月4日(日)2日目
2時30分起床。
早いが熊の平までの長丁場。
みーさんを連れてなので、
早く出ることで解決することにした。

朝ごはんはサンドイッチとオニオンコンソメスープ。
3時51分スタート。
1番手かと思ったが、
子連れの方など、少なくとも2グループは前にいてびっくりした。

二俣からの道との分岐手前で日の出。
富士山がきれいに見える。
今日は天気に恵まれそうだ。
甲斐駒、仙丈も出迎えてくれる。
今日は風も弱く快適だ。

肩の小屋には6時21分に到着。
トイレを済ませて北岳を目指す。

山頂手前ですれ違いの人を見て目がテンに。
スーツ姿だよ・・・。

肩の小屋で着替えて山頂に行ってきたらしい。 やるな。

北岳には7時21分に到着。 絶景です。 これから行く南部の方は・・・
どれがどれだかわかりませんな・・・。

今日は先も長いです。
7時50分に北岳を後にします。
下りはみーさんが苦手なようで、
やや時間がかかりまして、
北岳山荘に8時55分に到着。

朝ごはんのとき残しておいたサンドイッチと、
山小屋ジュースはオランジーナ。

みーさんは南はトイレが汚いからイヤだ、
とか言ってた割には、
北岳山荘の近代的なトイレの使い方がわからないらしく、
扉をあけることすらできないでいた。。。

さあ、天気のいいうちに間ノ岳に行って展望を確かめましょう。
9時20分に出発します。

が、ほどなくガスが湧いてきます。
中白根山を9時56分に通過。
もうこのころにはまっしらに・・・。

間ノ岳には11時1分に到着しましたが、
ガスガスの山頂。
ここはいいところなんだけどなあ。
かなり残念。

昨日のお昼の残りのスコッチパンが出てきたので、
それを食べましたら、
先も長いので11時20分に熊の平に向かいます。
向かいますが、ガスガス過ぎて方向がわからん。。。

方位磁石と地図を合わせまして、
慎重に道を探します。
なんとか踏み跡を見つけましてコースに入ります。

三峰岳までコースタイム30分ですが、
とてもそんなんじゃ行けませんね。
ここはかなりコワイところです。
途中でストックをしまっていきます。

なぜここに危険マークがついていないのかわからん。
特別難しい部分はなかったような記憶がありますが、
落ちたら死ねるところが続きます。

三峰岳には12時15分に到着。
ようやくコワイところが終わった、 わけではないようです。
事前に調べたときには、
ここからの下りもしばらく同じような感じ、
というのをどこかで読んだ記憶がある。

でも、ここの下りさえ終えてしまえば、
と思ったのですが、
30分くらいは緊張するところが続きます。

危険そうな岩場のトラバース、
慎重に3点確保で進んでいると、
後ろで待っていたみーさんから、
「見て!あそこに人がいるよ!」

こんなコワイところでよそ見させて殺す気かー!

取り込み中なので「今は無理〜」
と返事しながら通過します。

また、ほかの岩場のトラバースですが、
つかんでいた岩が、
乗り越えてから反対側に力を入れると岩が動いて、
一瞬、めちゃめちゃコワイ思いをします。
なんとかほかの2点で支えられましたが、
本当に落ちるかも、と思いました。
冷や汗かいたよ。。。

農鳥からのトラバース道が近づいてきたら、
もうコワイところはなくなります。

歩いている時間が長くなり、
左肩が痛くなってきました。
水抜きで最初21sでしたから、
そんなに重くないはずですが、
それでもきつくなってきました。

熊の平には13時45分に到着。
疲れていたので平らなところではなく、
小屋と明日の進行方向に近いところにテントを張った。
ナナメって寝づらかった。

夜ごはんはドライカレーと根菜サラダとたまごスープ。
サタケのドライカレーはイマイチだった。

ナナメっていた割には結構寝れた。

8月5日(月)3日目
今日も2時30分起床。
つーか、みーさんにはだまって2時25分起床。
カルボナーラとオニオンコンソメスープの朝食。
曇りというかガスガスなので、 雨具の下をつけて4時ちょうどに出発します。

ガスガスですので、
安倍荒倉岳にも登らず、 とにかく脚を伸ばします。
ときおり雨にもパラパラ降られます。

北荒川岳を過ぎると大崩壊地。
あんなこわいところを登るのか?
というところが見えてきますが、
旧テント場を過ぎて、
崩壊地に出る手前で、
左に折れる樹林帯の中を通るルートができています。

後で小河内岳避難小屋で聞いたところによると、
あまりにも危ないので新しく登山道をつくったとのこと。
それだけ崩壊が進んでいるということのようです。

雪投沢の旧テント場あたりからの北俣岳分岐までの登り、
ここはもう登山道も崩れていて、
登りでもコワかった。
下りにはとりたくないルートだな。
つーか、正直言うと登りでも2度と来たくないです、ハイ。

ボクの地図にはここも三峰岳付近も危険マークがないですけど、
危険マークベタ張りしていただきたいです。。。
かなりへこんでました。

北俣岳分岐から塩見岳への道も少し崩れてきているところがありました。

塩見岳には9時12分に到着。
東峰から西峰が見えません。
どころか、西峰への道がどこにあるかわからないほどのガスガス・・・。

南アルプスの若おかみの機嫌が悪いのだろうか?
結婚してみーさん連れてきたのがいけなかったのかな?
若おかみはまったく顔を出してくれません。

ここからの下りは危険マークつき。
以前通ったことはありますが、
今日は2人ですし、
慎重にいかなくてはいけません。

ガスガスですし、
危険箇所を過ぎないと心が落ち着きませんので、
休憩もそこそこに山頂を後にします。

ここからの下り、
テントを担いでいると、
2か所ある、ザックの上がつかえそうなところが核心。
ただ、ここは手掛かりがしっかりあるので、
ボク的には比較的安心。

途中、静岡高校の山岳部16人とすれ違います。
ちょうど安全に休めるところでやり過ごします。
変な箇所でなくて助かりました。

とか言いながら、
かなりカワイイ女の子もいまして、
楽しませてもらいました。

今日は熊の平まで行くそうで、
あのコワイところを行くのか、と。
こんなところに連れてくる先生も大変だな。

今回の山行では結構、 高校山岳部と会いました。
最近、高校山岳部も流行ってきているらしくて、
しかも女の子も増えているそうです。
いいじゃないですか。
いいじゃないですかー!

塩見小屋が近づいてきたらもう安心。

ガスガスでみーさんに絶景を見せられませんでしたが、
まずは無事でなにより。

塩見小屋に着くと、 空もやや明るくなってくる。
危険地帯を越えてほっとひと息。
サンキストオレンジの箱を飲んだ後、
なっちゃんオレンジ缶を一気飲み。
本当、オアシスのようです。

あとは三伏峠までポクポク歩くだけ。
と思いましたが、
みーさんがバテまして、
ここから時間がかかります。
もう危険地帯は越えていますので、
時間がかかってもいいのですが、
ゆっくりだとボクの左肩が持ちましぇん。。。

本谷山では今日登ってきた登山者の方に、
明日までは天気がよくないが、
水曜日からは高気圧が張り出してよくなりそう、
という天気予報を教えてもらう。
明日はよくないのか。

三伏峠には14時30分ころ到着。
10時間半の行動時間ですか。
今日は精神的にも疲れました。

小屋ではポカリ500ミリと、 白桃缶詰を。
缶詰のシロップの甘さがめちゃうまかった。
甘いものをからだが欲してます。

昨日に続いて、 今日も酒はぬき。

回復を図るため、 今日は3人分の春雨をつくって豪快に食べた。
うまいです。

夜もときおり雨。
雨の中、荒川岳に登るのはしんどい。
ここならエスケープは可能だが、
進んでしまうとエスケープも難しくなる。
本気の雨なら停滞か、
はたまた様子を見ながら少しでも進むか。
そんなことを考えながら眠りについた。

8月6日(火)4日目
今日も2時25分起床。
1時ころ目が覚めたときには雨が降っていたので、
こりゃマジで停滞か?
と思っていたが、
起きてみて外をのぞくとなんと星が満天に出ています。

これなら出ない手はない!
と、みーさんを起こして準備します。
ペペロンチーノを食べて4時2分スタート。

が、出発するとガスガスになり、
ときおり雨に降られます。
あの星空はなんだったんだ・・・。

烏帽子岳での日の出を期待しましたが、 到底無理。

少し休んだら先に進みます。
小河内岳に向かう道も崩壊が進んでいます。
北荒川岳付近と違って、
こちらは比較的道がかたいですが、
それでも1箇所、
人の横幅分だけしか残っていないところもあり、
数年後にはもしかして、
というところもありました。

小河内岳に着いたら避難小屋に寄ります。
みーさんがオレンジジュースにしたので、 ボクはサイダーにします。
そういや4年前にきたときは、
「ビールしか置いてないよ。 ジュースは売れないから」
と言われたのに、今日は寄ってみてよかった。

7時前だというのに、
小屋にはまだ1人、
登山者が残っていました。

小屋番さんと話をしながら、
えらい遅い時間までいる人いるんだなあ、
と思って顔を見てみると、
知り合いのわっきーさんじゃないですか。

何でっかいザック持ってきて小屋泊まりなんだ。。。
あ、そう、すき焼きね。

天気が良くないので、
小屋番さんにはとりあえず高山裏まで進んで、
そこで状況をみて中岳まで行くか判断します、
と伝えます。

小屋番さんからは、
84歳の人とすれ違うはずだから、
と教えられます。

無線で情報が伝えられているようです。
伝えられるほど人が少ないですな。。。

鹿による南アルプス丸裸作戦により、
マルバダケブキとコバイケイソウだけが目立つルートを進みます。
天気はよくないのですが、
といって本格的にも降ってこない、
判断の難しい状況です。

84歳の登山者とも無事にすれ違いました。
しっかり歩いているようです。

高山裏避難小屋には10時30分に到着。
結構疲れてます。
先に進むかどうか?

ここで泊まればラクだが、 もう光岳は無理になる。
行けば中岳まで行けるだろうが、
みーさんの体力もあるので、
行かないのが大人の判断だろうなあ、
と思いつつ、
なっちゃんオレンジを買って、
とりあえずわかめうどんを作って、
昼食にしながら2人で考えます。

食べ終わってそろそろ判断しなきゃ、 の時間になったころ、
同じ方向に歩いてきた単独の登山者が、
「中岳まで行きます」
と行って進んで行った。

他人に左右されてはいけないのですけれども、
もう、ここで泊まる方に傾いていた気持ちが揺らぎます。
みーさんに聞いたら、
「行けるよ」という。

それならば、 とわれわれも進むことに決め、
小屋番さんに中岳まで行くことを伝えます。

「中岳まで行くんなら無線で連絡しといてやるから」
とおっしゃるんですが、
別に必要ないよな、
と思いつつ、お願いする。

どうやらマレに中岳には団体さんが来て、
いっぱいになるとかわいそうだから、
ここを通過した個人の登山者には場所を確保しといてやろう、
という親心のようです。

無線で話をしながら、
「人が少なくてさみしいなあ〜」
とか言ってます。

確かに今日は3人しかすれ違ってませんしね。

この先の登山道上の水場は、
「いっぱい出てるから。
毎日確かめに行ってるから大丈夫!」
との声に送られて11時10分出発します。

水場では先ほどの単独の男性がいました。
気持ちのいい水なので、
顔を洗ったりもしていて長居してますとのこと。

われわれも水を少し多めに汲んで行きます。
中岳では1Lくらいまでなら、
煮炊き用の水をわけてもらえる、
と高山裏で教えてもらいましたが、
一応、必要最小限には汲んで行きます。

単独の男性は先に出発しましたが、
みーさんが「アンガールズの山根さんをかなりカッコよくした感じ」という。
確かにそんな感じだ。

というわけで、
われわれは彼を「山根くん」と勝手に名付けて、
山根くんを追いかけます。

荒川前岳への強烈な登り。
森林限界となり、
ゴーロの登りになると、
上に山根くんが登っているのが見えています。

みーさん、意外に快調に登っていきます。
急斜面には強いようです。

が、実はここの核心はこの登りを終えてから。
左側にトラバースして上部に出ると、
崩壊したガレの縁を歩かされます。

ここは本当にコワイです。
つまづいたり、バランスを崩したりして、 崩壊地側にこけたらさようなら。
しかも踏み込んだ靴が「ぶにっ」と微妙に動くので、
これがまたコワイ。

結構長い間、
コワイ思いをさせられます。

以前にきたときは前岳への最後のところがコワかった記憶があるのですが、
逆にここは崩壊しすぎたのか、
崩壊地と反対側に1度下りて進むルートができていて、
安心ルートになっていました。

南アルプスは崩壊が進んでいるので、
今までなんでもなかったところが急にコワイところになったり、
逆にコワかったところが対策がとられてコワくなくなったり、
ということになっています。
1年で状況が変わっていますので、
最新の情報を得るようにした方がよいと思います。

前岳に登りきりますが、
天気がよくないので、 早々に中岳避難小屋に向かいます。

中岳避難小屋には15時前には到着。
なんとかここまでこられました。
山小屋ジュースはペプシ。
最初の一口はうまかったが、
炭酸は最後の方がきついな。

小屋では山根くんもいました。
聞くと、まったく同じ行程できているよう。
しかもこの先も同じ行程のようです。
ただ、山根君は土曜日に畑薙から静岡行きのバスを予約しているようで、
光まで行けるかどうか悩んでいるようです。

明日からは天気も良くなるそうですし、
われわれも今日、 ここまで来られたことで、
光も見えてきました。

光、本当に行けるのか?

夕方の無線連絡で、 高山裏の小屋番さんから名指しで、
「水場までのところに倒木があったかどうか教えてくれ」
と言われてしまいます。
いや、倒木はあったけどその区間だったかどうか。
先に言ってくれたらきちんと報告できたんだけどなあ。

小河内避難小屋からも、
「高山裏までは行くと言ってたけど・・・」
とか言われます。

確かに各所に寄ったけど、
そんなに覚えられるって、
どんだけ人少ないんだ・・・。

夜ごはんはチキンライスに、
缶ではなくパック入りのコンビーフとコーンのサラダ、みそ汁。

今日は小屋の中でぐっすり眠れた。

が、 朝の2時半ころ、
となりのおばちゃんに場所を侵食されて、
どうしようかと思っているうちに、
軽く蹴られたりして、
最後には「ねえねえ」とつかまれて起こされます。

あなたの旦那さんは反対側ですよ・・・。

8月7日(水)5日目
今日は3時30分起床。
ナポリタンとポタージュスープの朝食。

4時20分に空身で悪沢岳ピストンに向かいます。
途中、山根君にパスされますが、 5時2分ころに悪沢岳に到着。
タッチの差で日の出には間に合いませんでしたが、
久しぶりの晴れ。
素晴らしい景色に出会えました。

富士山がきれいに浮かんでいます。
南のアルプスが360度眺められます。
西側には影富士?
富士山のような影が映っていました。
こんな景色は初めて見たよ。

ついに若おかみがほほ笑んでくれたのだ。

風は何を語るや。
空は赤く、青く光る。

悪沢は2回ともボクに感動を与えてくれた。

小屋に戻り、 コーヒーを楽しんだ後、
7時4分にザックを担いでスタートする。

荒川小屋までの間のお花畑、
超〜
超〜
超〜
超超超超超超超〜
すごかったです!

一番いいタイミングだったのでしょう。
鹿柵で守られてますので、
広大なお花畑になっています。

写真大会になって、 なかなか前に進めません。
この日に晴れてよかった〜。
ここまで天気には恵まれなかっただけに、
本当に気持ちがよかったです。

荒川小屋ではなんとかき氷の文字が!

晴れて暑いですし、 当然頼みます。
そしたらかき氷にみかんが2粒のってます。
めちゃめちゃうまかったです。
荒川小屋サイコー!

今日はみーさんも調子いいようです。
大聖寺平も本当に気持ちのいいところ。
小赤石岳では山根君もパス。
赤石岳に向かって稜線の空中散歩です。

11時前には赤石岳に着くかと思いましたが、
山頂直前に雷鳥を発見。
親と子5羽が遊んでいました。
またしても写真大会。

お花畑にかき氷に雷鳥。
先に進めませんな。

11時5分に山頂に到着。
まずは小屋に行ってジュースを買います。
なっちゃんりんご。
なっちゃんりんご、めちゃうまかっ
今山行のベストジュースでした。

小屋番さんに、
「小屋の先の方もいいところだから行っときな」
と言われたので、 そのままピストンしておきます。

山頂まで戻ったらお昼ごはん。
少しでも食べたほうがみーさんの調子がよいようなので、
カレーうどんをつくって食べます。
1食分を2人で分けるくらいでちょうどいいですね。

ここから先は、
みーさんが「♪とんかつ、とんかつ♪」
と元気になる呪文を唱えながら進みます。

山根君はシャリバテなのか、
途中でパスさせてもらいます。

百間洞には13時58分に到着。
フルーツジュースを一気飲み。
そして、テントだけど夕食を頼みます。
ここの夕食は揚げたてとんかつなのだ!

前回は胃が小さくなったのか、
おかわりできませんでしたが、
今回はしっかりおかわりしまして、
腹いっぱい食べてやりました。
みーさんも完食。
満足したようです。

そして、 今日ここまで来られたことで光が現実味を帯びてきました。
先が見えてきて、
うれしいようなさみしいような。

8月8日(木)6日目
目覚ましがならなかったのか、 気付かなかったのか。
とにかく12分寝坊しまして、
2時37分起床。

カルボナーラとポタージュスープ。

4時10分にスタート。
今日はやや短めの8時間のコースタイムとはいえ、
途中に小屋はなく、 行ったら行ききるしかありません。

百間洞への下降点に5時5分。
日の出を期待していましたが、
赤石岳がさえぎって見られませんでした。

中盛丸山への登りの途中でようやく太陽がのぞきます。
というわけで「パンパン」(2回柏手を打つこと)しておきます。

小兎岳で休憩。
兎岳で休憩。
ここで山根君に追いつかれます。

山根君は今日、 茶臼まで行ければ光まで行ける、
ということだったのですが、
体力具合から見てちょっと無理とのこと。

本人は光にはこだわってないようですが、
小屋の人にも登山者にも、
絶対行っとけ、
と言われて悩んでいるようです。

まあ、なかなか来られるところじゃないですからね。
それはわれわれにも言えること。

みーさん、 今日は調子いいようで、
しかも急な登りは得意のようで、
結局、聖岳には9時47分に到着し、
山根君にも先着。

前回来たときはガスガスでしたが、 今回は晴れました。
赤石岳が、上河内岳が大きく見えています。
若おかみはここでもほほ笑んでくれました。

昼食を食べるとみーさんが調子がいいので、
ここで棒ラーメンにチャーシューを入れて食します。
ガスが湧いてきましたが、 早く出た甲斐がありました。

10時40分に聖岳を後にします。
ここからはガスの中に突っ込みます。
でも、もう今日はOK。

聖平小屋には12時37分に到着。
今日は早くついてラクができます。
エルビーのりんごジュース。

聖平小屋はやさしくて、
テントの人でもウエルカムフルーツポンチをいただけます。
おいしかったよ。

時間があるので、 ポーランドからの留学生がイギリス人に借りてきたという、
イギリスのテントを見させてもらいます。
シェルター式でかなり長いです。
背が高いということなんでしょうな。
その割には高さは低いから、 座高は低いということでしょうか。

そんなことしてたら、
みーさんがテントで寝てて、
ボクはテントに入れなくなってしまいました。

ほかの登山者と話をして時間をつぶします。
山根君はみんなに光まで行け、
と言われているようですが、
まだ悩んでいるようです。

聞けば山根君は、 箱根駅伝を目指す大学の陸上部で、
山下りを目指していたとのこと。
なんで「下りは得意ですけど、登りはダメです」とか。

荒川小屋から1日で聖平までワープした人とか、
南はすごい人がいますなあ。

夜ごはんは親子丼に焼きそば、 たまごスープ、海藻サラダ。
先が見えてますので、
残っているもんをどんどん使います。

明日はいよいよ光まで。
ついにここまで来たか。

と思っていたら、 ボクのおなかの調子が悪い。
ここまで来て下○ピーになってしまい、
夜中にもトイレに駆け込んだ。

まさか、こんなことで光が遠ざかるのか?

8月9日(金)7日目
2時25分起床。
もうこの時間に起きるのが当たり前になってきました。
梅わかめごはんにみそ汁の朝食。

トイレに行って、まだ下○状態でしたが、
大丈夫なような気がしましたので、
3時52分スタート。
結局おなかは大丈夫でした。

途中、山根君にパスされます。
どうやら明日はバスの時間が心配なので、
今日中に茶臼にザックをデポして、 光を往復することにしたようです。

今日も日の出は南岳の稜線にさえぎられて見られませんでしたが、
太陽が見えたところで「パンパン」しておきます。

上河内岳は行きたかったピークなので、 肩にザックをデポして山頂に向かいます。
空身だとラクですな。
結構標高差があるように見えましたが、
実際に登ってみると、 7〜8分で山頂には到着しました。

聖が大きく見えています。
おそらく間ノ岳あたりまで見えます。
本当にいい眺めです。
ガスが湧いたり晴れたりでしたが、 ボクたちは十分に楽しめました。

茶臼小屋に向かう道からガスに巻かれて、
茶臼小屋分岐に近づいたあたりからものすごい風。
最後の最後にまた試練です。

離れるとガスで見えなくなるので、
みーさんと離れないようにして、 歩を進めます。

こんな天気なので茶臼岳も通過するだけ。
仁田岳もパスしてガスの中、 気をつけて進みます。
易老岳には10時35分に到着。
ここらへんまでくると風も収まってきます。

そして光岳が近づいてくると、 なんと急に天気が回復してきます。
青空がのぞいてきました。
おそらく光岳が樹木越しにチラチラ見えています。

若おかみ、演出がニクイの〜。

バーナーが使える天候になってきましたので、
三吉平で賞味期限切れのカレーうどんを食します。
2年も前に賞味期限が切れてると、 さすがに風味が完全に落ちますな。。。

で、ここで光から帰ってきた山根君と最後の遭遇。
予想以上に時間に余裕を持って往復できたようです。
で、「すごいもん見ました〜」
というので写真を見せてもらったら、 熊が写ってました・・・。
光のすぐ奥にいたようです。

山根君に本当の名前を聞いておこうと思ったが、
ここまで来たら、
われわれのなかでは今回は山根君ということにしておくことにした。
ごめん、山根君。

さ、ボクたちも光に向かいましょう。

静高平まで登りきりましたら、 気持ちのいい高原歩き。
水場は出ていませんでした。

光小屋には13時30分ころに到着。
アップルジュースを一気飲みします。

なお、水は「水場まで行くことはないから」
ということで、小屋で必要な分だけわけてもらえます。
で、明日下山する人と相談して、
6人でジャンボタクシーを呼ぶことになりました。
これで下山ルートも確保できました。

あとは光岳に行くだけ。

みーさんと2人で光岳までゆっくり登ります。

ヨーロッパのファイナルカウントダウンという曲が頭に鳴り響く。

光岳の山頂標識はなんとなく現れる。
14時40分、ついにやってきました。

2人でやってくるのは大変でしたが、 本当によくやりました。
1人だったら前半で心が折れてただろうな。

ここまできたのですから、 光石も行っておきます。

毎日毎日8〜11時間くらい歩き続けました。
光はわれわれの足元にやってきたのだ。

小屋まで戻って、
小屋で売っていたあんみつを食べる。
甘さがからだに沁み入ります。

今日もビールは抜き。
結局飲んだのは1日目だけでした。

夜ごはんは香る野菜カレーに、
スパムとビーンズを焼いたものを食べた。

8月10日(土)8日目
3時53分起床。
チャーハンにポタージュスープ。

小屋の人に聞いた日の出ポイントに日の出を見に行く。
少し雲に邪魔されましたが、
今日も「パンパン」しておきます。
富士山が朝焼けに浮かんでいます。

5時48分にスタートし、
一緒にタクシーに乗る人1人と下山します。
74歳の方が30分くらい先に出たらしいが、
結局易老渡まで追いつかなかった。
南にいる人はすごいよ。

11時6分に易老渡に下り立った。

東京は37度らしい。

タクシーに乗り平岡駅に着く。
駅舎は4階建てで風呂もあり食堂もある。
電車の時間をみて、
さっと風呂に入って、
いなりずしなどを買って電車に乗り込んだ。

飯田駅からは高速バスで東京に帰った。

南アルプスの若おかみは、
前半でボクにイケズしたけど、
ちゃんと後半にサービスしてくれた。

今回は計画通りに歩けて満足度は高いです。
でも。
でも。
でも。

なにか物足らないものもある。
それはなんだろう?

う〜ん、わかんないから、
また若おかみに会いに行ってもいいかな?
ね、みーさん!


コワサ・体力レベル

南アルプスは崩壊が進んでいるので、あくまで2013年8月時点でのものと考えてください。
広河原〜右俣コース〜北岳
2年目後半以降。雪がなければ特にコワイところはないと思います。体力的にはキツイ。
北岳〜間ノ岳
3年目以降。北岳の下りに岩場あり。そんなにコワイとは思いませんが、一応危険マークあり。
間ノ岳〜三峰岳
5年目以降。そんなに技術はいらないと思いますが、この先に行くということは総合力も問われます。 危険マークがないのが不思議。かなりコワイ部類だと思います。
三峰岳〜熊の平
三峰岳から30分くらいが核心。コワいです。5年目以降。
熊の平〜塩見岳
本文通りで、技術はいらないですが、ボクはかなりコワかった。4年目以降。 塩見岳→熊の平の方が下りになる分、よりコワイと思います。
塩見岳〜三伏峠
塩見岳の下りが核心。4年目以降。コワいですが手掛かりはあります。 高度感があってコワいですが、本当にコワいのは落石。落とすのも落されるのも気をつけて。
三伏峠〜中岳避難小屋
コワいのですが技術は必要ないので評価が難しい。3年目でも行けますけど、ボク的には4年目以降でないと、 オススメしにくいです。大斜面を登り切ってからが核心です。ここも中岳→三伏峠の方が下りになるので、 そちら方向のほうが難しいというかコワいと思います。
中岳避難小屋〜悪沢岳
危険マークはありますが、それほどでもないと思います。3年目以降。
中岳避難小屋〜赤石岳〜百間洞
特にコワいところはありません。ここまで来ている人なら特に問題ないでしょう。
百間洞〜聖平
ガレの縁を歩きますが、ほかのところと比べればそれほどでもありません。 3年目ならと思います。下りのスリップに注意。
聖平〜光岳
特にコワいところはありません。
光岳〜易老岳〜易老渡
特にコワいところはありません。易老岳〜易老渡は標高差が1500m弱あり、思ったよりもしんどいです。 コースタイムも厳しめかも。時間に余裕を持ってください。


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